ジーディス世界のジムは、ガンタンク→ガンキャノン→ジムへと発展したジム系と呼ばれる系譜のMS。ジムこそ連邦軍の兵器としての完成形。決してヤラレメカではない。主人公ジーディス・バンカーは安定的で高性能なジムを好み、一部性能だけが突出した実験機のガンダムを極端に嫌がる。
ジム
V作戦よりも前から既に地球連邦軍にはジムが配備されている。ルウム戦役もジムが参戦している。ジオンのザクにやや遅れて開発に成功。80年代のアメリカとソ連のような開発競争という感じ。だからアニメ正史と違ってジーディス世界ではジーンのザクとアムロのガンダムが初のモビルスーツ同士の回戦というわけではない。
ルウム戦役で一気に宇宙での配備数も増やしたが、パイロットの技能不足でルウムは敗戦。練度の差で負けた。シャアの言葉を借りるなら、『モビルスーツの性能の違いが戦力の決定的な差ではない』ことを教えられたのがルウム。
その頃、地球では陸戦型ジムが配備されていた。
ジム・トレーナー
ジム・トレーナーはパイロット育成用で、見た目はジムと同等だが装甲材は安価で、機能的にも簡略化されている。
ガンダムの大気圏突入機構というイカれた装置の実験用に使われた無人機のジム(ジム・ドローン)は、このジム・トレーナーをベース機体にしたもの。実験は3回とも失敗。大気圏で燃え尽きた。
アムロは危うくガンダムで大気圏突入をやろうとするが、Z(ゼータ。別名ガンダム・ゼータ。Zガンダムではない)に乗ったジーディスに燃え尽きたジムの話を聞かされ、乗機だったガンダム(ロールアウト・バージョン)のABパーツをパージし、ウェイブライダー形態のZの背部にコアファイターをマウントした状態で地球へ降下した。
ジム・スナイパーカスタム
ジャブローでホワイトベースに搭載された。ジーディスの乗機となる。ガンダム並みの機動性、運動性、格闘性を誇る。ほぼガンダム。
キャメル艦隊との交戦で、急降下爆撃のようにドレンのムサイを急襲したアムロのガンダムの後衛としてジーディスのジム・スナイパーカスタムが追従。ガンダムのビームライフルと共に、スナイパーライフルで遠距離からのロングレンジ射撃。ガンダムを援護した。
ジムII
ジャブローのジム工場に並んでいたのはジムII。一年戦争後半、ティアンム艦隊に主力配備されていたのはジムII。
のちのティターンズとエゥーゴの時代まで使われるが、さすがにその頃には旧式化している。
ジム・カスタムをベースにしたガンダム・レプリカ
シャイアン基地からアウドムラに合流する際、アムロが乗ったRX-78のガンダム・レプリカ。ジム・カスタムにガンダムを模した外装で復元したもの。ガンダム・ヘッド。
同じく復元されたレプリカのGパーツと合体した状態(Gアーマー)で格納されていた。コアブロック・システムは再現されていないので、合体したGアーマーか、分離したGファイターにしかなれない。GブルやGスカイは再現不能。
アムロは、連れ出したカツ・コバヤシをGアーマーに搭乗させ、シャイアン基地を離陸。そのシーンのBGMは「戦いへの恐怖」。ホワイトベースから出撃する時にいつもかかるアレ。そのまま旧ファースト・ガンダムのアイキャッチ(デデデン、デデデデン、シュウ!のアレ)でCM入りしたら泣ける。
地下にモビルスーツが隠してあるぐらい言え!とアムロに生意気な口をきいたカツは、まさか本当に隠してあるとは思わずビックリ。シャイアン基地は大騒ぎになり、スクランブルでZ plus一個小隊が追跡する。
一年戦争以来、戦闘をしていなかった田舎の平和な基地の兵は、アムロが幽霊士官とはいえやっぱエラい人だし一年戦争の英雄だし正直扱いに苦慮する立場なので手を出せず、アムロの説得と軽い脅しにビビってしまい、途中で追撃を断念。結果的にはGアーマーを護衛するような形で、アウドムラとアッシマーの戦闘区域まで接近。全部オレのせいにしていいとか何とかアムロに言われた小隊長は、事態がこれ以上ややこしくなることを懸念して仕方なく離脱。Z plus小隊はブランのアッシマーと遭遇する前に基地へと帰投。小隊長が基地司令の判断を仰がなかったのは、ミノフスキー粒子が濃くて通信できなかったため。
アウドムラの空域で、アッシマーとの戦闘前にGアーマーからボルトアウトするガンダム・レプリカ。BGMは「颯爽たるシャア」。ブランのアッシマーを相手に一年戦争の冴えを見せるアムロ。ここのBGMは戦闘曲。サントラ「長い眠り」後半。アッシマーを撤退に追い込む。ここのBGMは勝利確定BGMの「戦いへの恐怖」後半。そんなシーンを妄想してしまう。
MSに余裕のないエゥーゴやカラバから借りることができなかったアムロは、結局その後も香港でサイコ・ガンダム戦を終えるまで、このガンダム・レプリカで応戦することになる。だから、ベルトーチカがカミーユに「アムロさんにガンダムを譲らない?」と無神経な提案をしてカミーユが奥歯をギリギリ言わせながら(なんだこのクソ女!)とイラつくシーンもない。
パワード・ジム
ジーディス・ワールドでは、一年戦争時代すでにジャブローで一部のエース・パイロットに向けた高性能機としてパワードジムが生産され、ソロモン開戦前に一定数が全部隊に少数ずつ配備された。
不安定な実験機のガンダムよりも、兵器としてのバランスはよっぽど優秀。
パワード・ジム・カーディガン
キャメル艦隊撃破後、乗機のジム・スナイパーカスタムがビグロに撃破されたジーディスが、次に搭乗する。サイド6の浮きドックでペルガミノから調達。
その後、ソロモン戦とテキサス戦を乗り切るが、ブラウ・ブロとの交戦で撃破される。ジーディスはまたしても無傷で生還する。シールドがいっぱいあって、装甲も厚くて助かった。
ジム・キャノン
ジムキャノンもそこそこ生産されて、ガンダムとガンキャノンのように、ジムとジムキャノンで小隊を組むことがある。
ジーディス・ワールドでは、ビーム撹乱膜やビームバリア(Iフィールド)を備えたビグザム相手に、実弾兵器のキャノン砲で善戦した。
ジム・キャノンII
テキサスコロニー宙域でワッケイン艦隊からホワイトベースに向けて補給艦が発進。直後にワッケイン艦隊は全滅。輸送されたモビルスーツの中にジムキャノンIIが3機。一年戦争のジーディスにとって最後の機体。
派生型)ガンキャノンMK-II
3機のジム・キャノンIIは全てガンキャノンと同じ赤に塗られ、カイの108、ハヤトの109、ジーディスの203とナンバリングされてア・バオア・クー戦に赴いた。
ホワイトベースに配備されたこの機体は、通常のジム・キャノンIIと違い、コックピットブロックをコア・ファイターに換装した仕様。ホワイトベースのクルー全員、本来のガンキャノンと同様、MK-IIもガンキャノンとしか呼ばなかった。MSVのガンキャノンII(ツーまたはセカンドと呼称)とは全くの別物。
ジム・ライトアーマー
ソロモン陥落後、コンペトウ(コンペイトウではない)と名を変えた宇宙要塞で、軽装化したジム・ライトアーマーが生産された。
表向きは一撃離脱を得意とするエース・パイロット向けと喧伝されたが、誰の目にも戦争末期で数合わせの急造機体としか見られず、充てがわれたパイロットは死を覚悟して搭乗した。
実際、死に物狂いで一撃離脱戦法による大戦果を挙げたパイロットもいたので嘘とも言い切れず、乗る者を選ぶ機体とも言われた。
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